今日の午前は外来でした。以前、MTX投与前のQFTや胸部CT施行の義務化が、日本リウマチ学会等の関連団体に何の事前相談もなく(つまり学術的な検証も無く)、某製薬会社の保身のためだけに決定された暴挙を記事にしました。


某製薬会社の国民へのツケ回しであることは承知していますがルールには従わざる得ないので、新規の関節リウマチ患者さんには全例QFTや胸部CTを施行しています。


この結果、QFT陽性ですが胸部CTで所見が無いという、判断に苦しむ症例を経験するようになりました・・・。GFTは、BCGの影響は受けない結核既感染者の判定ツールです。したがってQFT陽性だからといって現在感染しているかどうかは不明なのです。


関節リウマチには粟粒結核も多いので、胸部CTで所見が無いからと言って結核を完全に否定できません。こうなってくると、QFT陽性で胸部CTで所見の無い患者さんには、頭部・腹部・骨盤部のCTを全例で撮影しなければならないのでしょうか?


更に、初診時にこれらの画像診断全てで明らかな異常所見が無くても結核感染を完全には否定できないので、副作用の強い抗結核療法をQFT陽性では全例に開始しなければならないのか?という議論にもなります。どう考えてもナンセンスですよね・・・。


某製薬会社が引き起こした現場の混乱を整理する力を持っているのは、日本リウマチ学会しか無いと思います。早期の指針作成を期待したいところです。


 
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