昨日は、日本生体電気・物理刺激研究会に出席してきました。
医局からの出頭命令(笑)があったので出席したのですが、講演のレベルの高さに驚きました。


正直、事前に抄録にさえ目を通していなかったのですが、全8演題のうち7演題が現役の教授で座長も半分以上が現役教授という普通ではありえないシチュエーションでした。さすが現役教授が自分の専門分野を講演するだけあって内容も非常に洗練されていました。


一日で聴講できる濃度としては明らかに過去最高レベルで、単なる 『 研究会 』 なんですが日整会をも軽く凌駕する非常に有意義な一日でした。せっかくなので印象に残った講演をご紹介したいと思います。


まずは新潟大学の遠藤直人教授の骨粗鬆症に関する講演です。大腿骨近位部骨折の予防で重要なことは、「骨折の連鎖」を絶つことだそうです。骨折の連鎖とは下記の3つです。


   1. 脊椎椎体骨折 ⇒ 大腿骨近位部骨折
   2. 大腿骨近位部骨折 ⇒ 反対側の大腿骨近位部骨折
   3. 母 ⇒ 娘 


1 は、脊椎椎体骨折が発生すると身体のバランスが悪くなり転倒リスクが増大するため、大腿骨近位部骨折を併発しやすくなるそうです。2 もほぼ同様の理由で反対側の大腿骨近位部骨折を併発しやすくなります。


3 は、親子(母娘)の骨質は非常に似ているため、大腿骨近位部骨折をおこした方の娘にも、高率に大腿骨近位部骨折が発生する傾向があるそうです。


これらを予防するのに有効な予防法のひとつに、ロコモティブシンドロームの予防体操で有名な「ダイナミックフラミンゴ体操」があります。ちなみに今年の専門医試験では「ロコモ」を知らない受験生が結構な割合で居たと嘆いておられました(笑)。


ロコモティブシンドロームを知らない整形外科医が存在するとは思ってもいませんでしたが、さすがに「ロコモ」を知らないと恥ずかしいので来年受験予定の方はおさらいしておいたほうがよさそうです。


 

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