今日の午前は外来でした。1週間前に70歳台後半の女性が、頚部~上腕・肩甲背部にかけての痛みとこわばりを訴えて初診されました。
主訴・年齢・性別からリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)を疑い、血液生化学検査を施行しました。今日はちょうど結果説明の日でした。案の定CRP/ESR 1.63/51と高値でした。
PMRの診断基準にはいくつかありますが、私はリウマチ病学テキストに掲載されている下記のような診断基準を使用しています。
1. 両側の肩甲骨の痛み、またはこわばり感
2. 発症後2週間以内で症状が完成
3. 発症時の赤沈値が40mm/hr以上
4. 朝のこわばりが1時間以上
5. 年齢が65歳以上
6. 抑うつ状態あるいはさらに体重減少
7. 両側上腕筋の圧痛
上記のうち3項目以上を満たすもの、もしくは1項目以上を満たし臨床的にあるいは病理的に側頭動脈に異常を伴うものをprobable PMRとします。今回の方は5項目を満たしたのでPMRと診断しました。ステロイドの有効性の確認は診断の確定に役立ちます。
PMRの治療は、ステロイドの経口投与です。
私の場合、若干少なめですがプレドニン(PSL) 10mgから下記のスケジュールで開始します。
3-4週 PSL 10mg
2週 PSL 7.5mg
2週 PSL 4mg
2週 PSL 2mg
2週 PSL 1mg
4週 PSL 1mg を隔日投与
上記の通り暫減できればよいのですが、PSL1-2mgぐらいから症状が再燃することがあります。再燃の場合は、その時点でのステロイド倍量投与することで、炎症所見を改善する必要があります。それでも、なかなかPSLを終了できないので、悩むことが多いです。
尚、PSLを投与する際には消化管潰瘍併発の予防を目的として、PPIもしくはH2-blockerを併用する方が安全だと思います。
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