Medical Tribune Vol.46, No.36で、高線量の放射線に暴露する小児が増加 という記事がありました。
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高線量の放射線に暴露する小児が増加
JAMA pediatrics(2013; 167: 700-707)
カリフォルニア大学デービス校
Diana L. Miglioretti教授
・ 小児科ではCT検査は20年前から増加している
・ 小児は成人に比べて放射線暴露によってがんを発症する率が高い
・ 固形がんの推定生涯発生リスク: 年少、女児 > 年長、男児
・ 固形がんの推定生涯発生リスク: 腹部・骨盤・脊椎のCT検査 > 他の部位のCT検査
・ 女児の固形がんの発生リスクは下記のごとくです
腹部・骨盤部CT: 300~390回/毎、
胸部CT : 330~480回/毎
脊椎CT : 270~800回/毎
・ 白血病の発生リスクは5歳未満の小児が頭部CTを受ける場合に最も高く、5000回/毎の発生頻度と推測された
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今回の研究結果をみて、管理人は意外なほど小児へのCT検査の悪影響が高いことに驚きました。リスク回避の観点からは、小児の頭部外傷などは積極的にCTを施行した方がよいのかなと思ってていました。
しかしこれだけがんの発生頻度が高いと、CTを行うことに躊躇してしまいます。CT施行を検討する段階で、この数字を提示してご両親にどうするか選んでもらうのが妥当なのかなと思いました。
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