昨日の手術は、午前・午後とも人工股関節全置換術(THA)でした。
午前中の方は、特にリスクも無かったのでいつもどおり前外側アプローチで手術を行いました。
しかし、午後の方は大量のステロイドを内服しているため、高度の骨脆弱性を有する症例でした。両寛骨臼荷重部および左大腿骨頭に脆弱性骨折を併発するぐらい高度な骨粗鬆症だったのです。
今年の6月の発症にも関わらず、たった5ヶ月で大腿骨頭および寛骨臼の高度の圧潰をきたしたので、いわゆる狭義の急速破壊型股関節症(RDC)の定義を満たします。
このような方では、軟部組織をレトラクトするだけでも寛骨臼前後壁に骨折を併発することがあります。術中は、組織に出来る限り緊張が掛からないように配慮する必要があるのです。
したがって、この方には後外側アプローチで手術を行いました。後外側アプローチは展開が容易で組織に緊張が掛からないのですが、デメリットとして前外側アプローチと比べて股関節安定性に難があります。
逆に前外側アプローチでは組織の緊張が強く展開が難しいですが、術後の股関節安定性は抜群です。私は前外側アプローチ派なので、後外側アプローチでは非常に股関節安定性に気を使います。
カップの前方開角やステムの前捻角などでは、アプローチの違いによって目標角度に微妙な違いがあります。またリーミングの際に掘削されがちな方向も違うため注意が必要です。
後外側アプローチで展開が容易であったため手術は難無く終了しましたが、慣れないアプローチでは細かい所にまで気を使うので非常に気疲れする手術でした。
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人工股関節全置換術
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