1ヵ月前に人工股関節全置換術(THA)を施行した方が、術後に劇的に歩行できるようになりました。手術まで数ヶ月間ほど寝たきりに近い状況だったのがウソのようで非常に喜んでいました。


しかし、術後3週目から誘因なく背部痛が出現しました。かなり強い痛みだったので、身体所見から脊椎圧迫骨折を疑いました。ストロイド性骨粗鬆症がベースにあるため、単純X線像では多発性圧迫骨折を認めます。


MRIを施行するとT7およびT10の新鮮圧迫骨折を認めました。外傷は無かったことから、THAを施行して活動性が上がったため、脊椎に負担が掛かって胸椎圧迫骨折を併発したのだと思います。


これは一種の過用症候群と考えられます。以前にも、生物学製剤が著効して活動性が上がったため、股関節に過度の負担が掛かって関節破壊が進行して、THAをせざるを得なくなった症例を報告しました。


関節リウマチでは過用症候群や誤用症候群の概念がある程度浸透していると思いますが、それ以外の疾患で過用症候群を併発することは想定していませんでした・・・。


過用症候群を併発するファクターを定量的に計測できれば予測や予防も簡単なのですが、実際的に過用症候群の併発を確実に予測することは不可能です。


THAの執刀医として術後の早期リハビリテーションを推奨する立場にあるため、あいまいな理由でこれに制限を加えることは心理的・技術的に難しいと感じました。



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