母趾のMucous Cystで治療に難渋している症例があります。
Mucous Cystは変形性関節症に併発することが多く、手指のDIP関節に好発します。


私が難渋している方は母趾IP関節直上のMucous Cystです。初診時はガングリオンかと思ったのですが、疣贅のように盛り上がっており表皮が薄く自壊するためMucous Cystと診断しました。


通常のMucous Cystは変形性関節症が原因です。このため、関節直上のcyst部を切除するだけでは高率に再発するため、関節固定が必要となるケースが多いです。


しかし、私が難渋している方は、単純X線像上は関節症性変化に乏しくほぼ正常の関節所見です。これでは関節固定する訳にもいかず、自壊を繰り返すので困っているのです。


頻回に自壊すると感染を併発するリスクが高くなるので、そろそろ根治的な治療を考えなければなりません。関節固定まで思い切って施行するか否か決断を迫られています・・・。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス