Medical Tribune 2014年3月13日号に興味深い記事がありました。
骨軟部腫瘍のWHO分類改訂点を解説」です。以下、Medical Tribuneからの転載です。


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2013年には骨軟部腫瘍の世界保健機関(WHO)分類が約11年ぶりに改訂され,代表的な疾患が削除された一方で新たな疾患概念が追加されるなどした。産業医科大学放射線科学教室准教授の青木隆敏氏は,第33回日本画像医学会の教育講演「骨軟部WHO分類の改訂をめぐって」で,日常診療で接する機会の多い骨軟部腫瘍を中心に特徴的な画像所見や改訂点を解説した。


富破骨型巨細胞腫瘍に関する章は,巨細胞腫瘍(GCT)の単独腫瘍名から富破骨型巨細胞性腫瘍(osteoclastic giant cell rich tumours)にカテゴリー名が変更された他,良性に小骨巨細胞性病変(giant cell lesion of the small bones)という概念が新たに分類された。


次に軟部腫瘍では,2002年版で悪性線維性組織球腫(MFH)と呼ばれていた腫瘍が粘液線維肉腫や多形型平滑筋肉腫,未分化多形肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma)などに再分類されたが,今回の改訂からは未分化多形肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma)がさらに未分化/未分類肉腫(undifferentiated/unclassified sarcoma)という名称に改められ,軟部悪性腫瘍の代表的疾患とされていたMFHの腫瘍名は完全に除外された。


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以上の2項目が、腫瘍は専門外の私が”ほっ~”と思った事項です。GCTは日常診療で比較的接する機会が多いですが、”富破骨型”という良く分からない名称になったのが印象的です。


悪性線維性組織球腫(MFH)という名称が無くなったことも驚きました。確かにMFHの中にもさまざなタイプがあり、肩関節周囲炎的な概念だと思っていました。


しかし、一般診療で悪性軟部腫瘍に接する機会が非常に少ない腫瘍非専門医にとっては、MFHの方が疾患のイメージできて良かったのですが・・・



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)