今日の午前は、第5中手骨頚部骨折(=ボクサー骨折)に対する経皮的骨接合術を施行しました。今回は意外なほど手術に手こずってしまいました・・・。術式は経皮的な髄内釘です。


まず、第5中手骨基部背側に小切開を加えました。「筋鉤をお願いします」と言ったところ、「エッ、筋鉤ですか???」という手術室看護師さんの一言からコケてしまいました。


私の中では経皮的な髄内釘だったのですが、手術伝票に”経皮的骨接合術”と記載していたため、手術室的には通常の経皮的骨接合術(=pinning)だったようです。


気を取り直して手術を再開しましたが、上手くC-wireが末梢に進みません。透視下に確認するとエントリーポイントが若干末梢側でした・・・。5mm程度の差ですがうまく髄内に刺入できません。



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なんだかんだと30分ほどかかって手術を終了しました。今回の反省点は下記のごとくです。
・ 手術室には、通常のpinningではなく、経皮的な髄内釘手術であることをはっきり伝える。
・ エントリーポイントは、できるだけ中枢側(CM関節に近接)で
・ C-wireは頑張らずに.1.0mm前後×2本の刺入でOK


いつまで経っても反省点がでてくるものです。



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