先日のブログで話題になった指尖部損傷の患者さんの経過報告です。この方は7週間もアルミ法で治療をしていましたが、カリフラワー状の肉芽形成となり上皮化が進展しませんでした。


私はこのような患者さんを経験したことが無かったので非常に困ってしまいました。そこで爪周囲炎の感染性肉芽組織の治療を参考にして、不良肉芽組織の切除を行う予定にしました。


このことをブログ内で書いたところ、コメント欄で関西の1整形外科医様から、ストロンゲストのステロイド外用剤を使用しては?という助言をいただきました。


そこで、ストロンゲストのステロイド外用剤を試してみることにしました。私の勤務する病院にはストロンゲストのステロイド外用剤が無かったので、この方のために特別に1本取り寄せました。


肉芽組織にストロンゲストのステロイド外用剤を塗布して2日後に再診したところ、それまでどんどん大きくなっていた指尖部のカリフラワー状の肉芽組織が縮小しているではないですか!


特に周囲の感染徴候もなく、局所の状態は明らかに改善しています。そこで、2日に1度の頻度で通院してもらい、その都度ストロンゲストのステロイド外用剤を塗布し続けました。


そして1週間目の昨日の時点で、あれほど大きくなっていた肉芽組織が周囲の皮膚レベルにまで縮小して、急速に上皮化していることが確認できました。


あと、1週間もすれば完全に上皮化しそうな勢いです。これには驚きました。関西の1整形外科医様には本当に感謝です!ブログをしていて良かった(笑)。




             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス