昨日の午後は、PIP関節脱臼骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
PIP関節脱臼骨折には①軸圧型 ②過伸展型 があります。


②ではPIP関節屈曲位で骨片の整復位を獲得できれば、その状態でシーネ固定して保存治療を選択できます。①では中央に嵌入骨片を形成しやすく、手術適応となることが多いです。


残念ながら昨日の症例は①であり、中央に嵌入骨片を形成していました。手術は、掌側からのzig-zag切開もしくは側方からの切開で進入します。昨日の方は側方から進入しました。


皮下を剥離するとすぐに骨折部を展開できます。掌側骨片には側副靭帯が付着しているので、これを損傷しないように注意する必要があります。骨折部を開大して嵌入骨片を挙上しました。


掌側骨片を整復して、掌側からLeibinger profile screwのXS 2本を挿入しました。骨片がしっかりしていたのでscrewを選択しましたが、粉砕している場合にはpull-out wireを選択します。


小さい術野で繊細な手技が要求されるので、軸圧型のPIP関節脱臼骨折の手術は比較的難易度が高いと思います。CTで骨片間の位置関係を頭に叩き込んで手術に望むべきでしょう。




             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス