高齢者の大腿骨頚部骨折でGarden stage 1~2は、
CCSやハンソンピンなどの骨接合術を選択する施設が多いと思います。
私は回復期リハビリテーションも担当しているので分かるのですが、後療法は施設間のバラつきが大きく、術翌日から全荷重を開始する施設から3週程度免荷する施設までさまざまです。
私は、術後2~3週程度は免荷する派なのですが、これは術直後から全荷重を許可している施設の症例では骨折部が偽関節化する率がやや高い印象を抱いているからです。
高齢者の大腿骨近位部骨折の治療における最大の目的はADLの維持でなので、可能なかぎり早期から歩行訓練を開始することは理に適っています。
しかし、大腿骨転子部骨折の髄内釘やCHSと比べて解剖学的にも固定性が良好とは言えないので、全例を術翌日から全荷重歩行させるのは少しやり過ぎのように思えます。
この免荷期間のおかげかは分かりませんが、私は高齢者であってもGarden stage 1~2なら偽関節化や大腿骨頭壊死症の併発をほとんど経験したことがありません。
私が荷重開始を許可する目安は、単純X線像で仮骨が見え始めた(骨折部が硬化し始めた)時です。順調に行くと術後2~3週で骨折部の硬化を確認できます。
万が一にも骨折部が偽関節化したり大きな大腿骨壊死症を併発すると後のリカバリーショットが大変なので、極力初回手術で終了できるように後療法を調整しています。
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