今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術
(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。


今回の除圧高位はL3/4に高度でしたが、変性側弯を認めました。
ご存知のように変性側弯では腰椎が回旋しているため、正中から掘削することが難しいです。


このような変性側弯症例では正確に正中から進入するため、術前のパイロット刺入の段階で手術台を傾けて腰椎の回旋変位を補正するようにしています。



補正前AP




補正前はこのような状態でした。L3/4の正中がどこか分かりにくいです。これでは正中から進入することが難しいので、イメージを見ながらL3の棘突起が中央にくるように手術台を傾けました。



補正後AP




少し分かりにくいですが、L3の棘突起が中央に位置しています。今回は左側を5度ほど下に傾けることで、このような状態に補正することができました。


このように手術台を傾けて腰椎の回旋の補正をすることで、変性側弯の手術といえども、通常の症例と同様に垂直方向に掘り下げて行くだけになります。


脊椎のエキスパートならこのようなお膳立ては不要かもしれません。しかし一般整形外科医の場合には、このような補正を加えるだけで普段通りの手術に早変わりします。




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