2日前の朝のことですが、子供が「首が痛い」と言ってなかなか起きませんでした。
「コイツ、学校に行くのが嫌なんだなぁ」と思って無理矢理起こすと痛がって首を傾けています。


???と思ってよく見ると、本当に痛そうです。まっすぐに立たすと、斜頚になっているではありませんか!そう、なんと自分の子供が「 環軸椎回旋位固定 」になってしまったのです。


時間があったので、丹念に触診すると環軸関節に圧痛があります。子供なので頚部の軟部組織が薄いため、環軸関節をしっかり触診できるのです。


今回は、特に上気道炎や軽微な外傷は無かったので原因不明です。念のため体温を測りましたが平熱でした。明らかに環軸椎回旋位固定なのですが、心配になるぐらい痛がります。


病院で診察する環軸椎回旋位固定の患児は、発症からある程度時間が経過しているケースが多いからなのでしょうが、触っただけで痛がるケースは稀だと思います。


しかし、発症したての環軸椎回旋位固定はかなり痛そうです。治療は介達牽引が推奨されていますが実際に外来で毎日行うことは難しい場合が多いので、今回も頚椎カラーを処方しました。


今日は発症から3日目ですが、幸いやや斜頚や疼痛はやや軽快傾向です。子供にとっては頚椎カラーを装着するのは結構嬉しいようで、昨日は喜んで装着したまま登校したようです。


環軸椎回旋位固定は20%弱ぐらいの頻度で再発するようなので、斜頚が治っても3~4週間ほどの期間は頚椎カラーを装着させようと思います。



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Critical thinking脊椎外科