昨日の午前はアルバイト先で外来をしていました。
転倒してから背部痛が続く80歳台の方が受診されました。
単純X線像では明らかな新鮮圧迫骨折を認めませんが、胸腰移行部の叩打痛が著明で現病歴と身体所見からは脊椎圧迫骨折である可能性が高いと判断しました。
しかし、脊椎圧迫骨折として治療を開始するには、やはり客観的な証拠が必要です。そこでMRIを施行しようとして問診をとったところ、刺青があることが判明しました。
腰部には無かったのですが、肩に立派な”刺青”がありました・・・。少しMRIを施行するか否かを考えましたが、メリットとデメリットを勘案してMRIを施行することにしました。
今回は青色系統の刺青だったので、臨床上は刺青による皮膚熱傷の可能性は低いと判断したのです。そして、ご本人の同意の上でMRIを施行することにしました。
一般的には特に朱色系は、熱傷や変色の危険性があり勧められません。しかし、私は背中全面に刺青のはいった頚髄損傷の方にやむを得ずMRIを施行したことがあります。
この際には幸い熱傷や変色は併発しませんでしたが、MRIが1.5テスラだったからかもしれず、2~3テスラではどうなるかは分かりません。
脊髄損傷等の生命に関わる場合には刺青があってもMRIを施行しますが、その他の場合には施行するべきかどうかを悩んでしまいます。
今回の背部痛が続く80歳台の方はご本人の同意の上でMRIを施行しましたが、同日に受診した腰椎椎間板ヘルニア疑いのアイラインのはいった30歳台女性はMRIを希望されませんでした。
基本的にはMRIを施行するメリット・デメリットを勘案した上で、施行する場合には御本人の同意を得るというのが現実的な対応方法だと思います。
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