整形外科医として術後患者さんのリハビリテーションを行う際に、階段昇降はADLが保たれているか否かの判断材料となる重要なポイントです。
特にTKAやTHAの術後患者さんにおいて階段昇降をクリアすることは、退院時期を決定する上で非常に重要です。私は、階段昇降と自力入浴が可能となった時点で退院許可をしています。
階段昇降の状態を表す言葉に「一足一段」と「二足一段」があります。普段何気なくこれらの言葉を使っていますが、ふと何故「一足一段」や「二足一段」と表現するのかを疑問に思いました。
そこで、1分ほど考えてみたのでご紹介します。まず「二足一段」ですが、階段を上がる時は健足を一段上に上げて、健側の手と足で体を引き上げて健足に患足を揃えます。
階段を降りる時は患足を一段下へ出し、健側の手と足で体を支えて健足を患足に揃えます。つまり、一連の動作で一つの段に二足がある状態のある階段昇降が「二足一段」です。
これに対して「一足一段」は健常人の階段昇降方法で、一つの段には常に一足しか無い階段昇降のことです。一般的にADLが上がると、「二足一段」→「一足一段」となります。
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