先日、80歳台後半の方が大腿骨頚部骨折で入院されました。
転倒後から歩行不能となったとのことだったので、外来でまず単純X線像を依頼しました。
骨粗鬆症が高度だったので、単純X線像では骨折の有無がよく分りませんでした。このため、CTを施行して再構成してもらったところ、大腿骨頚部骨折であることが判明しました。
CTの前額断ではカルカーに骨折が及んでいるものの、ほとんど転位を認めないため、
Garden stage 2の可能性が高いと判断しました。
念のため、側面でラウエンシュタイン像を追加依頼したところ、見事に腹側凸になって角状変形していました・・・。側面も含めて判断すると完全にGarden stage 3 です。
改めて単純X線像の正面・側面像およびCTの再構成画像を見直しましたが、
少なくとも Garden stage 3 と分るような骨折部の転位は認めませんでした。
やはり、大腿骨頚部の病変に関しては、きっちりとラウエンシュタイン像を撮影して骨折の有無や転位の程度を評価するべきだと改めて認識しました。
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