先日、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折の方が入院されました。
最近では骨粗鬆症人口の増加のため、治療にあたる機会が増えていると思います。
今回の方は、他院での再置換術後15年の方です。大転子が偽関節になっていることに加えて、大腿骨近位のbone stockが極端に少なく極めて骨質が不良でした。
人工股関節全置換術後ステム周囲骨折の分類はバンクーバー分類(The Vancouver Classification for Periprosthetic Fractures)が有名です。
バンクーバー分類
・ type A 転子部
・ type B1 ステム周囲 人工関節が安定
・ type B2 ステム周囲 人工関節が不安定
・ type B3 ステム周囲 骨質が不良で骨片が粉砕している
・ type C ステムよりも遠位
今回はバンクーバー分類 type B1でした。側面像でようやく骨折を確認できる程度であったこと、骨質が極めて不良であったこと、および80歳台後半だったことから保存治療を選択しました。
治療は、① 股関節外転装具(30度に固定) ② PTH投与 ③ 電気刺激 の3本立てです。何とか保存治療で治癒してくれることを祈りたいと思います。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。
股関節学
アクセスカウンター
- 今日:
- 昨日:
- 累計:
管理人によるケアネット連載コラム
管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
人気記事
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
お気に入りリンク集
記事検索
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。
利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。
当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。