先日、大腿骨転子部骨折に対する骨折観血的手術を施行しました。
今回の方は大腿骨近位部の粉砕が高度でした。
かなり不安定なタイプの粉砕骨折です。しかし、大腿骨骨幹部の皮質骨は厚いので、径9mm・頚体角125度のショートネイルを選択して、何とかjammingせずに挿入することができました。
手術自体は問題なく終了しているのですが、この方の術後リハビリテーションが問題となります。以前の私なら翌日から全荷重で歩行を開始しました。
しかし最近では、このような大腿骨近位が粉砕している不安定なタイプの骨折では、まず術後1週間程度免荷して様子をみることにしています。
1週間免荷してそれほど転位が大きくなければ、2週目から全荷重歩行を開始します。術後も本当に不安定なら、1週間免荷したところで役に立たないという意見もあると思います。
しかし、不安定な骨折に最初から全荷重して高度のスライディングをきたしてしまうと、その後のリハビリテーションに難渋してしまいます。
また、高度粉砕例での早期荷重による偽関節も経験しているので、転ばぬ先の杖ではありませんが、まずは1週間様子を見て問題無いことを確認してから荷重開始としています。
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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。

AO法骨折治療
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しかし最近では、このような大腿骨近位が粉砕している不安定なタイプの骨折では、まず術後1週間程度免荷して様子をみることにしています。
1週間免荷してそれほど転位が大きくなければ、2週目から全荷重歩行を開始します。術後も本当に不安定なら、1週間免荷したところで役に立たないという意見もあると思います。
しかし、不安定な骨折に最初から全荷重して高度のスライディングをきたしてしまうと、その後のリハビリテーションに難渋してしまいます。
また、高度粉砕例での早期荷重による偽関節も経験しているので、転ばぬ先の杖ではありませんが、まずは1週間様子を見て問題無いことを確認してから荷重開始としています。
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AO法骨折治療
このような粉砕骨折には本当に難渋させられています。今回もきれいに整復・固定されていて感心致します。
私はこのような粉砕骨折にはワイヤーを巻くようにしています。小転子の少し近位くらいのレベルで、可能なら小転子を引っ張り降ろしてでも巻きこむようにして骨折部を締め上げます。
手術のときにしっかり固定しないと、言われていますようにリハビリに難渋し、また一旦テレスコープすると免荷していても不安定ですし、高齢者に免荷しろと言っても難しいからです。昔の上司に仕込まれました。