勤務医と言えども、「結果」が問われる時代です。
この場合の「結果」とは、経営面でどれだけ病院に貢献しているか? を指します。


もちろん医師の本望は患者さんを治すことですが、医療機関も利益を上げなければ生き残っていけないので開業医でなくても医業収入を考えざるを得ません。


経営面で病院に貢献している(=高い医業収入を上げている)と、病院内での立場が強くなり労働環境が改善されるという副次的な効果もあります。


このため、勤務医であっても高レベルの医業収入を維持することは必須です。では、どうすれば効率良く高レベルの医業収入を維持できるのでしょうか?


答えは診療報酬体系にあります。基本的には、入院患者さんの点数>外来患者さんの点数という関係が成り立ちます。つまり、同じ時間を費やすなら入院患者さんに注力するべきです。


整形外科では7名の外来患者さんの診療をするよりも1名の患者さんを入院させる方が高い医業収入を獲得できます。このための最適解は「外来患者数は最小に、入院患者数は最大に」です。


歯を喰いしばって膨大な外来患者数をこなすより、入院患者数を増やすことに注力します。この場合、入院患者数が問題なのであって、どのような疾患で入院するのかは問題ではありません。


この観点からは、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんは入院期間が長期化する傾向にあるので、勤務医の立場からは「楽して結果を出せる」患者さんということになります。


若手医師は大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんは勉強にならないので嫌がるケースが多いです。しかし、長期間受け持てるので、私はこれらの患者さんが大好きです(笑)。


もちろん、自分の専門分野の患者さんを診療することを怠ってはいけませんが、私のレベルでは自分の専門分野の患者さんだけで高レベルの医業収入を上げ続けるのはなかなか難しいです。


したがって、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんを受け持つことで最低限の医業収入を維持しつつ、余力に応じて専門分野の患者さんの治療に注力しています。


この考え方は、「不動産で安定的な定期収入を稼ぎながら、医師として追加の給与収入を得る」という勤務医の経済的な必勝パターンと同じだと思います。



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