先日から5歳児の環軸椎回旋位固定の治療を行っています。
もちろん、治療と言っても頚椎カラーを処方して経過観察しているだけです。


環軸椎回旋位固定は、1年前に
自分の子供が環軸椎回旋位固定になったこともあり何となく親近感のある(?)疾患です。


環軸椎回旋位固定は一般的には小児に発症することが多く、上気道炎や軽微な外傷が原因となることがありますが原因不明なことも多いです。私の子供も原因不明でした。


さて、治療は頚椎カラーの処方となりますが、5歳児に合うような頚椎カラーは残念ながら存在しません。カラーの高さがありすぎて斜頚の5歳児には装着できないのです。


このような場合、新聞を折って輪状にして包帯を巻いた手製の頚椎カラーでも良いのですが、忙しい外来診療の合間に作成することは現実的ではありません。


そこで、私は一番小さいサイズのポリネックカラーの上半分だけを装着してもらうようにしています。ご存知のようにポリネックカラーは2ピースで構成されており高さ調整ができます。

                        

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この2ピースのポリネックカラーの上半分だけなら高さはさほど高くないので、5歳児であっても充分に装着可能であることが多いのです。


注意点は、下半分のポリネックカラーを捨てないように親に言っておくことです。環軸椎回旋固定の再発予防のために、発症後3~4週程度は頚椎カラーを装着することが推奨されています。


しかし、斜頚が軽快するとポリネックカラーの上半分だけではブカブカになってしまいます。このため、再発防止のための装着期間にポリネックカラーの下半分も使用する必要があるのです。




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Critical thinking脊椎外科