先日、当直していると7歳児が転倒して後頭部を打ったとのことで救急受診しました。
後頭部に約3cmの裂創があったのでナイロンで縫合しました。
通常、私はスキンステープラーで頭部外傷の縫合を施行します。しかし、この時にはスキンステープラーだと両親に文句を言われそうだったので、わざわざナイロンで縫合しました。
縫合後に患児の創部を観察しましたが、やはりナイロンは毛髪と似ているため抜糸の際に見難そうでした。う~ん、明らかにスキンステープラーの方が視認性が良くて優れていそうです・・・
後日、アルバイト先の脳神経外科部長の先生に、頭部外傷の際にスキンステープラーとナイロンでの縫合ではどちらを推奨されますか? という低レベルな質問を恥を忍んで行いました(笑)。
その部長の先生は、① 頭部外傷はどんな方法でも問題なく治癒する ② したがって手っ取り早いスキンステープラーの方が良い とおっしゃられました。
子供の場合には親の目があるからナイロンの方が良いのでは? と質問したところ、子供こそ暴れるので素早く施行できるスキンステープラーが望ましいとのことでした。
ちなみにスキンステープラーをしていても、頭部CTを施行する際にアーチファクトにならないそうです。頭部CTのアーチファクトにならないのなら、全例スキンステープラーで良さそうです。
以上のことから、頭部外傷の縫合処置は全例スキンステープラーで縫合することにしました。素早く縫合できて安価かつ抜鉤も容易なので、スキンステープラーに勝るものは無いですね。
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