先日、人工股関節全置換術(THA)を施行しました。
OA自体は特に問題ありませんが、殿部に帯状疱疹後神経痛(PHN)を罹患していました。


PHNの痛みはリリカで充分にコントロールできています。しかし、手術によって免疫力が低下した場合には、術創部に帯状疱疹を併発する可能性があります。


術創部に帯状疱疹を併発した場合、術創部に水疱形成して感染の原因となり得ます。米国ではZOSTAVAXという帯状疱疹ワクチンが承認されており、60歳以上の方に接種されています。


日本では未承認なので帯状疱疹ワクチンを接種できませんが、みずぼうそう予防の水痘ワクチンでも帯状疱疹の予防効果が充分に期待できるそうです。


一方、術後の帯状疱疹併発予防にゾビラックス等の抗ウイルス薬を術前投与することも検討しましたが、さすがにやり過ぎだと思いこちらは断念しました。


幸い、術後に帯状疱疹を併発すること無く無事退院することなりましたが、水痘ワクチンを接種したからと言って完全に帯状疱疹併発を予防することはできません。


結果オーライだったのですが、今後このような症例に遭遇した場合にも今回と同じ対応でよいのか自信ありません。どなたかご存知の方がいらっしゃれば御教示いただきたいものです。



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    初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                                    人工股関節全置換術