関節リウマチの患者さんの足部変形には胼胝や鶏眼を併発しやすいです。
何となくスピール膏を処方することが多いですが、本当にコレで良いのでしょうか?


東京医科歯科大学皮膚科の高山かおる先生が書かれた「リウマチ患者のフットケア」という記事が分かりやすかったのでご紹介します。


まず、胼胝や鶏眼の原因は、突出した関節や皮膚が地面や履いている靴に押されて生じることが多いです。関節リウマチ患者さんでは足部が変形しているため併発リスクが高まります。


胼胝は骨の上に角質が丘状に隆起し、鶏眼は関節間に楔状に角質増殖します。楔状のため鶏眼は皮膚を傷つけやすくびらんや潰瘍を併発しやすいです。


胼胝・鶏眼とも強い外力のために生じますが、特に鶏眼は擦れによるものが多く、靴の適合性の悪い方や足を引きずって歩く方に併発しやすいそうです。


胼胝や鶏眼の治療は角質を削ることです。角質を削るためにコーンカッターやデルマパンチを利用します。スピール膏は必要以上に皮膚が柔らかくなるのでお勧めしないそうです。


しかし、削り処置やスピール膏はあくまで対症療法です。あたって擦れなければ胼胝や鶏眼は予防できるため、靴やインソールなどのフットウェアを足に合うものにすることが最重要です。


インソールで踵や前足部アーチをしっかり支えて胼胝や鶏眼部分が免荷になるように、やわらかい素材を組み込むことが重要だそうです。


とにかく、胼胝や鶏眼部分に物理的な擦れが加わらないようにすることがポイントなので、装具業者さんと相談しながら適切なフットウェアを作成することが推奨されます。



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