「医はサービス業」という信念のもと(笑)、私は患者さんにできるだけ不自由をかけないような外来診療を心掛けています。そのうち最も気を使っているのが待ち時間の短縮です。
私の場合は予約診察がベースなのですが、それでも時間通りに診察を進めることは難しいです。医師サイドがいくらがんばっても、患者さんが素早く動けない場合が多々あるからです。
この問題を解決するために、私はできるだけ患者さんを動かさない診察を心掛けています。患者さんが動くよりも私が動く方が数倍速いので診療速度が上がります。
例えば膝関節注射の両側例では、椅子に座ったまま膝関節90度屈曲位として注射をします。この際に問題になるのが、膝関節裂隙の位置が判りにくい患者さんが存在することです。
特に肥満の患者さんでは膝関節屈曲位にすると膝関節裂隙の位置が判らなくなりがちです。脛骨粗面を触知して関節裂隙を探し始めても、どこが膝関節裂隙が判らないのです。
その場合には膝蓋骨下極の位置をメルクマークにしています。ACL再建術における関節鏡の外側ポータルを膝蓋骨下極レベルよりもやや末梢に置くことが多いことに気付いたからです。
このように、患者さんを動かさずに自分が動くことで、無駄な時間を排したスピーディーな診療が可能になります。待ち時間の短縮は、きっと大きな患者さんサービスになると思います・・・
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コメント一覧 (2)
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- 2015年10月30日 20:18
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全くもって同感です。ただしこのやり方で実行している私のまわりでは、自分以外にはいません。狭い診察室の壁際のベッドの上で、太ったおばあさんを上らせたり、回転させたりするのは大変です。上下刺入角度は脛骨plateauに垂直、左右刺入角は膝蓋骨真正面に直角、ただし関節裂げきは上過ぎず、下過ぎず。たいてい痛がられずに完了します。ちなみに当院では、診察室には看護師、看護助手を付けさせることもなく、全く問題なく医者ひとり体制で回っています。
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- 2015年10月31日 08:10
- なるほど、考えることは皆同じですね。診療時間の短縮は患者さんサービスだけでなく、自分自身やスタッフのためでもあります。最も貴重な資源である「時間」を最大限有効活用して、「定時」に帰宅することを心掛けています。
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