日常診療していると 「こんなのが在ればいいなぁ」 って思うことが時々ありませんか?
すぐに忘れてしまいがちですが、そんなところにもメシの種が眠っているかもしれません。


例えば、鎖骨骨折の際に鎖骨固定帯(クラビクルバンド)を使用しますが、独り暮らしのために患者さんだけで装着することが難しいケースが多いです。


この問題を解決する方法が無いかな? と思っていたところ、ストラップ部分を従来の鎖骨固定帯よりも長くすれば自分独りだけで装着できることに気付きました。


我ながらコレはなかなかナイスなアイデアだ! と思ったのですが、これだけでは単なる思い付きに過ぎません。このアイデアを活かすには、知的財産権を取得する必要があります。


私は、友人と広告関係の共同事業を行っていますが、この事業に関連した特許を取得しています。彼は日本を代表する大企業に勤めていますが、このあたりの事務処理に長けています。


彼がサクサクと特許を取得するのを見ていたので、アイデアを活かすには知的財産権を取得するべきだと考えました。このような場合、特許事務所の弁理士に依頼することになります。


特許事務所に相談に行くと、今回のアイデアでは特許権や実用新案権の取得は難しいが、「意匠権」は取得できる可能性があるとのことでした。アイデアの法的保護には意匠権で充分です。


そこで特許事務所を通じて意匠権の登録出願を行いました。費用は手数料10万円+印紙代16000円でした。一旦拒絶されましたが、軽微な補正手続きをしたところ登録が受理されました!


登録料として印紙代25500円+成功報酬65000円を納付して、晴れて意匠権を獲得しました。3年後に4~20年分の印紙代16900円 / 年+手数料10000円を納付する予定です。


今回の意匠権の登録出願に要した時間は1~2時間です。新規性・デザイン・使用法を箇条書きした上で弁理士さんに実物を預けると、あとはこちらが何もしなくても登録を出願してくれます。


年間約3万件の登録申請が出願され、登録率は80~90%です。このように、知的財産権を取得するためには約20万円ほどの費用がかかりますが、意外なほどハードルが低いです。


かなり高い確率で意匠権の登録は可能なので、素晴らしいアイデアを思いついた際には、費用はかかりますが思い切って知的財産権を取得するのも一法かもしれません。


今後は業者さんに今回のアイデアを売り込もうと思います。具体的には候補企業の知財部に問い合わせて、あわよくばライセンス契約を締結したいところです。


もしライセンス契約が締結されて使用料が入ってくると、不動産収入・事業収入・株式配当・太陽光売電収入に加えて新たな収入源が生まれます。


残念ながら手を挙げてくれる企業が無くても知的財産権を保有するメリットはあります。将来、今回のアイデアを商品化する企業が現れれば、知的財産権の侵害で訴訟を提起できるからです。


つまり、知的財産権は多少高額な「宝くじ」のようなものですが、宝くじよりも遥かに「当たる」確率が高いと思います。斬新なアイデアがあれば、知的財産権を取得することをお勧めします。


★★  医師のための資産形成講義  ★★


第88回日本整形外科学会学術総会期間中の2015年5月23日に開催した、本ブログ管理人による 「医師のための資産形成セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。


2015神戸セミナー



本セミナーは経済的自由獲得を目指す医師向けに開催しました。 資産形成マニュアル は、医師に最適化した資産形成手法だと自負していますが、文書だけでは伝わらないことも多いです。


講義内では、資産形成マニュアルにおいて文面だけでは伝えきれなかった資産形成のコツや、寝ていても定期収入をもたらしてくれる 「資産の自動運転化」 を中心に説明しています。