先日、足関節外果裂離骨折の方の診察を行いました。
初診時の単純X線像で、下記のように腓骨遠位端に骨折を認めました。
転位が小さいのでU字スプリントで保存治療を行っています。念のために受傷後1週に単純X線像を撮影して転位が増大していないことを確認しました。その際の画像は下記のごとくです。
初診時と微妙にX線の入射角度が異なるため、腓骨遠位端の骨折が全く分からなくなっています。もし順序が逆なら「骨折は無さそうです」と説明してしまうところでした。
このようにX線の微妙な入射角度の違いだけでも骨折の存在が全く分からなくなることがあります。卒後10年もしてくると自分の読影能力を過信してしまいがちです。
しかし、実際にはいくら読影能力が向上しても100%間違いの無い画像診断を行うことは不可能だと思います。このあたりは初心に帰って、謙虚な気持ちで診察に臨むべきだと思いました。
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