先日、中節骨骨折に対する経皮的骨接合術がありました。今回は1.0mmを使用しましたが、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mmのいずれを選択するかは悩むところです。


・ C-wire: 0.7mm, 0.9mm, 1.0mm, 1.1mm, 1.2mm, 1.6mm, 2.0mm
・ K-wire: 1.0mm, 1.2mm, 1.5mm, 1.8mm, 2.0mm


定型的な手術(例えば成人のマレット骨折に対する石黒法など)では、前回手術記録を見直して鋼線の太さを選択する判断材料にしています。


しかし、小児などの場合には骨の大きさ自体が小さいため、同じ手術であっても鋼線の径を選択する手段として手術記録を参考にすることは万能ではありません。


何か良い方法が無いかなと考えていたら、術中(もしくは術前)にイメージで、骨折部に本物の鋼線を重ねて骨と見比べると至適径の鋼線を選択できることに気付きました。


もしかしたら、ほとんどの整形外科医が鋼線の径を選択する際に行っている超基本的なことかもしれませんが、恥ずかしながら20年近くこのような考えに思い至りませんでした。


このように術中に本物の鋼線を骨と並べてイメージで確認することで、至適サイズを選択できるようになったため、わざわざ術前に手術記録を確認する手間が省けるようになりました。


私にとってはちょっとした業務削減策になりましたが、他の整形外科医がこの手法を「常識」として行っているか否かは恥ずかしくて訊けないですね(笑)。




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