先日の外来でがんこな「こむらがえり」の患者さんを診察しました。
こむらがえりの原因は諸説ありますが、詳細な点は未だに良く分かっていないようです。

 
こむらがえりを来たす疾患として、下記のような疾患があります。

・ 糖尿病
・ 肝硬変
・ 腎不全
・ 閉塞性動脈硬化症
・ 電解質バランス異常
・ 腰椎疾患


下肢に好発するので整形外科を受診する患者さんが多いですが、こむらがえりの原因疾患を列記すると、病因的に整形外科はあまり関係ない科のように思えます。


そう言っても、腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患の一症状として、こむらがえりで悩んでいる患者さんが居るのも事実です。


上記を踏まえて、私は下記のようなアルゴリズムで治療を行います。尚、内科的な疾患は下記①②の治療が不応の時点で精査を開始しています。


① 原因に関わらず、まずタウリンを処方
② タウリン不応例では芍薬甘草湯を処方
③ タウリン・芍薬甘草湯不応例で、ベースに下記疾患がある場合   

・ 腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症 → エパデール  
・ 糖尿病 → キネダック


上記の他にも、ダントロレンやミオナールを投与するケースがあるようですが、私は経験がありません。上記の①~③で80%程度の患者さんの症状は軽快する印象です。


こむらがえりは結構しつこいので、タウリン・芍薬甘草湯・エパデールでもダメなときが時々あります。基本的には内科受診をしてもらいますが、どこの科でもすっきりしないのが現状です。
 



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