週明けの外来で、転倒して手をついてから痛みが続く方が初診されました。
この方は日曜日受傷のため、当直医師が初診で診察していました。


カルテには「三角骨骨折疑い」と記載されていました。三角骨骨折なんてめったに無いのに、エラク自信家の先生だなぁと思いながらXpをみると、手関節背側に裂離骨片があります。


同日に撮影されたCTをみると、三角骨背側の裂離骨折のようでした。う~ん、確かに三角骨骨折(Os triquetrum)です。これは珍しい・・・。なかなかデキル先生だと思いました。


以前も、私は同様の骨折を経験したことがあります。 手の外科の実際 、Campbell's Operative OrthopaedicsGreen's Operative Hand Surgery のいずれにも簡単な記載しかありません。



前回の症例は背側の裂離骨折でした。裂離骨片を内固定する手段が無かったため、消去法的に保存治療を選択しました。そして、今回の症例でもほぼ同様の所見でした。


Green's Operative Hand Surgery に4-6週間の外固定とあるので、半肢ギプスを巻いて保存治療を施行しました。今回も偽関節化して疼痛が残れば骨片摘出術で対応しようと思います。



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