先日、外来で第7頸椎圧迫骨折の患者さんを診察しました。
この方は、遠方でバイク事故に遭ってフィラデルフィアカラーを装着した状態で初診されました。


CTやMRIでは頸椎の不安定性や脊髄圧迫を認めなかったため、そのまま前医で処方されたフィラデルフィアカラーを常用してもらって外来で経過観察することにしました。


この患者さんは60歳台後半のやや我がままそうな方でした。受傷後1ヵ月も経過すると頚椎の痛みが無くなるため、外来受診する毎に「いつになったら外れるんだ?」と噛みついてきます。


骨折が頚椎だけに、私も非常に慎重になっています。このため、受傷後3ヵ月ほどはフィラデルフィアカラーを常用する必要があると毎回説明するのですが、いつも毒づいて帰っていきます。


その態度からは勝手にカラーを外していそうですが、フィラデルフィアカラーの汚れやヘタリ具合を観察していると、どうも真面目に自宅でも常用していることが伺えます。


このように装具やシーネの汚れやヘタリ具合を観察していると、患者さんが真面目に使用しているか否かが容易に判断できます。これらの情報も治療方針を立てる上で重要だと思います。


特に、足関節外側靭帯損傷で真面目にシーネを装着していない患者さんは、そのままでは足関節の不安定性を残すことが多いので注意が必要です。


「装具やシーネの汚れやヘタリ具合はウソをつかない」ということと、その情報を活用して整形外科外来を行うことは大切なポイントのひとつだと思います。




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