本題とは関係無い話ですが、当ブログへのアクセス数が300万を突破しました!
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先日、アルバイト先の病院で環指狭窄性屈筋腱鞘炎(ばね指)の患者さんが再診されました。
私は初めての診察だったのでが、この半年で同院で3回の腱鞘内注射歴がありました。


しかも初診の段階で、現病歴の欄に「半年前に他医で2~3回の腱鞘内注射を施行されている」としっかりと記載されていました・・・


つまり、私の前に少なくとも5回の腱鞘内注射歴があるのです。これは非常にマズい状況です。先日もご報告したように、多数回の腱鞘内注射では屈筋腱断裂の危険性が高まります。


環指ばね指なので、普通なら経皮的腱鞘切開術を施行するところです。しかし、少なくとも5回の腱鞘内注射歴がある患者さんに、経皮的腱鞘切開術を施行すると屈筋腱断裂を誘発します。


多数回の腱鞘内注射歴のある患者さんに対しては、経皮的腱鞘切開術など怖くてとても施行できません。仕方なく、従来方式の観血的腱鞘切開術を行う予定にしました。


カルテ記載を確認すると、やはり全員アルバイト医師でした。「その場をしのげば良い」という気持ちは分からないこともないですが、もう少し注意して治療をしてほしいものです。


多数回の腱鞘内注射は意外なピットフォールだと思います。下手すると患者さんと共に、自分まで被害者になってしまうので十分に注意する必要があると思います。




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