先日、棘突起縦割式腰椎椎弓形成術(L35)を施行しました
術前のMRIでは、L4/5>L3/4の脊柱管狭窄を認めました。


術後AP



今回はL4の棘突起を縦割して手術を行いました。私の場合、まずL3-5までの椎弓を掘削して骨性処置を全て終了してから、2椎間連続で軟部の処置を行います。


L4/5の狭窄が高度であったため、軟部組織の切除はL4/5から開始しました。しかし、L3/4の除圧が未だったためか硬膜管が膨らまないため、上手くLigamentum flavumを切除できません。


硬膜管が萎んだままなのでLigamentum flavumに張りがなく、ケリソン鉗子でズムーズに切除できないのです。半分ほど切除しましたが、効率が悪いのでL3/4の除圧を行うことにしました。


L3/4の軟部組織を切除するとL4/5の硬膜管が膨隆してきました。Ligamentum flavumにも緊張感が出てきたので、あっという間にL4/5の除圧も終了しました。


私は手術を行う際、基本的には一番重要なところの処置を最優先で行うことにしています。これは、術中に不測の事態が発生しても、そのまま手術を終了できるようにするためです。
 

つまり、常に退路を確保しながら手術を行うことを意識しています。 しかし、2椎間連続の脊柱管狭窄症では、どうも上手くいきませんでした。


今までどちらの高位から除圧するのか深く考えたことは無かったのですが、2椎間連続の脊柱管狭窄症では、中枢側から除圧するという方針で統一すれば良いのでしょうか???
 




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