先日の外来で、50歳台前半の男性の末期変形性股関節症の患者さんが受診されました。
疼痛が高度なため、日常生活動作がかなり制限されています。


このような患者さんには人工股関節全置換術を勧めざるを得ません。最近は人工関節の耐用年数がかなり延びましたが、大柄な若年男性では平均寿命まで再置換術無しは難しいです。


このあたりの説明をすると、ほとんどの患者さんは手術に対して躊躇してしまいます。しかし、私は下記のようなことをお話しして手術を勧めるようにしています。


  • 50~60歳は、人生のうちでも最も脂の乗っている時期
  • 50~60歳は、70~80歳と比べて時間的な価値が高い
  • 若いときに疼痛のため活動制限して過ごすよりも、思い切って手術を受けて痛みなく何でもできる人生を過ごす方が素晴らしいのでは?


このように説明すると、かなりの方が手術に対して前向きな気持ちになります。やはり、若い時期に自由に行動できる貴重さを理解しているからでしょう。


実は、私はあまり手術が好きではありません。整形外科医としてあるまじき発言(?)ですが、回避できる手術はできるだけ回避するのが私のポリシーです。


それでも、今回のようなケースでは敢えて手術を勧めます。やはりTHAのように完成度の高い手術の切れ味を知っているため、自分が患者さんの立場でも手術を受けると思うからです。





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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です