先日、40歳台の方が多発外傷で入院されました。
何ヵ所も骨折しているので、しばらく入院せざるを得ない状況です。


このような比較的若年者が入院する場合、仕事を休まなければいけないことが問題になります。高齢者のような年金生活者と異なり、のんびり入院治療を続けるわけにはいきません。


昨今の社会情勢では、1ヵ月を超えるような療養期間が必要となると、その間に失業してしまう可能性があります。40歳台は一家の大黒柱であるケースが多いのでこちらも気を使います。


しかし、ここで一部の例外が存在します。その例外とは公務員の方です。公務員の場合には、多少長期間仕事を休まなければいけなくなっても、基本的には失業はありません。


このため本人はもちろん、医師サイドも失業を気にすることなく治療に専念できます。「職業=公務員」と聞かされると、「あ~、失業は無いのでゆっくり治療に専念してもらおう」と思います。



このように考えると、やはり公務員とは一種の特権階級なのでしょう。私たち医師の業界では公務員というと、制約が多いのでやや忌避される身分です。


私は、公的病院に勤務している時期は、公務員の身分が嫌で仕方ありませんでした。しかし、医師のように特殊な国家資格所持者を除くと、やはり公務員は何かと強い立場のようです。


いすれにせよ、公務員という職業は治療選択の上でも期間を考慮する必要が少ないため、非常に有利であることは間違いなさそうです。


若年者では職種が治療選択に大きな影響を及ぼすとともに、公務員以外では早期復帰のプレッシャーへの対応が難しいことを改めて認識しました。




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