先日、救急で頭部の割創患者さんが搬送されてきました。
幸い、頭蓋内病変を認めず後頭部の割創のみでした。


割創は洗浄して縫合したのですが、搬送されるまでに大量の血液が衣服に付着していました。傍目にはかなり凄惨(?)な光景です。


基本的に、救急車で搬送された方であっても、入院治療の必要がなければそのまま外来から帰宅していただきます。


しかし、衣服に大量の血液が付着しているため、このままの姿で街を歩くと、他の人から警察に通報されることは間違いなさそうです・・・


残念ながら、この方は身寄りがありません。このため、ご家族に着替え用の衣服を持ってきていただくことも叶いません。このあたりのことに救急室の看護師さんが気付いたのです。


看護師さん同士の協議の結果、バスタオルを1枚貸与することになりました。このバスタオルをマントのように羽織ってもらうと大量の血液が付着した衣服を隠すことができます。


あまり医療とは関係の無いことですが、このあたりの気配りも臨床では大切だと思います。どちらかと言えば、私たち医師よりも看護師さんの方がこのあたりの感覚が優れています。


私たちは、CTで頭蓋内病変がなくて創処置が終われば帰宅OK!という感覚です。しかし、社会的な気配りのアドバイスを看護師さんからもらえれば、更にスムーズな診療になりそうです。




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