2014年5月に、BIOMETからCobalt G‐HV ボーンセメントが発売されました。
国内での抗菌薬入り骨セメントの発売は、多くの整形外科医から望まれていました。






欧州では骨セメント使用の人工関節置換術の約9割で抗菌薬入り骨セメント(ALAC)が使用されています。私もセメント使用の場合には、「常識でしょ!」的な感覚で抗生剤を混ぜていました。



セメントの重合熱による抗生剤の活性低下や抗菌スペクトルを考えると、アミノグリコシド(アミノ配糖体)系抗生物質が第一選択となります。


しかし、日本では液体状のアミノグリコシド(アミノ配糖体)系抗生物質しか市販されていないため、実質的には骨セメントに混ぜる抗生剤としては使用できませんでした。


この点をクリアしたCobalt G‐HV ボーンセメントは画期的な製品だと思います。しかし、素晴らしい製品ではあるものの、下記のような問題点があります。


  1. かなり粘度が高いため、セメントガン使用の際には注意を要する
  2. 適応が人工関節置換術の術後感染に伴う二期的人工関節再置換術の第二段階のみ


①に関しては、先発のCobalt HV ボーンセメントよりも更に粘度が高いようです。また、②に関しては保険適応が狭すぎて困ります。せっかく良い商品なのに、とても残念ですね。


ちなみに、Cobalt HV ボーンセメント、サージカルシンプレックス骨セメント、セメックスRX ボーンセメントの償還価格は、全て12120円 / 40gです。



実際の販売価格は、サージカルシンプレックス骨セメント、セメックスRX ボーンセメントは償還価格の1割引程度、Cobalt HV ボーンセメントは償還価格程度のことが多いようです。


プライマリーの人工関節置換術に関しては、耐性菌の問題よりも感染予防に重点を置くべきだと考えているので、もっとCobalt HV ボーンセメントの適応を広げるべきと思うのですが・・・





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