日本整形外科学会雑誌 第90巻 第9号 577-604 に、興味深いシンポジウムの抄録がありました。骨粗鬆症性椎体骨折後後弯症(OPK)の病態と治療戦略です。
北海道大学の種市先生の報告によると、骨粗鬆症性椎体骨折患者101例中36.6%で進行性椎体圧潰を来し、最終的に13.9%が偽関節となり、3%に神経障害を合併したそうです。
私自身は骨粗鬆症性椎体骨折患者で神経障害をきたした症例はあまり経験したことが無いですが、偽関節率は肌感覚として同程度だと感じています。
神経障害をきたす要因としては椎体後壁が脊柱管内に突出して神経を圧迫する(静的圧迫因子)だけではなく、骨折椎体が不安定化して神経障害をきたします(動的圧迫因子)。
保存治療抵抗性で疼痛コントロールの難しい症例では、BKP(balloon kyphoplasty)を検討します。ただし、椎体後壁に骨折のある場合には神経損傷の可能性があるため適応外です。
2016.11月現在では、BKP(balloon kyphoplasty)はメジャーな手術とは言い難いため、適応症例は専門施設への紹介が必要となります。
椎体後壁損傷・神経症状・椎間不安定性(前後屈や側屈)のある症例では、固定術や椎体骨切術の適応となります。もちろん、このような症例も専門施設への紹介が必要です。
自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








