2017.2.4号の 週刊ダイヤモンド は、非常に読み応えがありました。
不動産に興味のある方は、購読することを強くお勧めします。






この特集記事の何が一体すごいのか?それは圧倒的なデータ数に裏打ちされた、自治体レベルの超長期変動を知ることができるからです。そしてデータの出所は、あのスタイルアクトです。


スタイルアクトの社長は、沖有人氏です。以前、沖社長とご一緒する機会を得ましたが、住まいサーフィンで収集した膨大なデータを解析する「データの鬼」でした。


沖社長は、理詰めでビジネスや投資を実践して結果を出しています。自分と考え方が似ていることもあるのでしょうが、こんなに凄い人が世の中に居るのかと衝撃を受けたものです。


さて、肝心の内容ですが、まずは33ページを見てみましょう。沖社長は、マイホーム購入で勝ち組になるためのポイントは「いつどこで買うか」だと指摘しています。


首都圏と関西圏の都道府県別に、マンションが分譲された時期ごとの中古騰落率の推移のグラフがあります。2006~2008年のミニバブル期では、全ての都道府県で騰落率がマイナスです。


つまり、この時期に購入した層は、都道府県レベルでみると、どこで購入しても「負け」なのです。購入時期は重要です。では、もっとミクロの自治体レベルではどうなっているのでしょうか?


34~35ページを見ると、驚くべき表があります。この表のデータは、東京都23区、東京都・市部、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県の主要自治体で構成されています。


2001~2013年までのデータが、時系列で並んでいます。それだけ長期間にわたって、充分な厚みのある中古マンション市場が存在するエリアのみが、今回の調査対象の自治体です。


すると、都道府県レベルでは全滅だった2006~2008年のミニバブル期も含めて、東京都の都心3区(港区、中央区、千代田区)と目黒区だけは、全期間にわたって騰落率がプラスです。


それに次ぐエリアとして、2001年以降のいつ購入しても2013年まで保有すればプラスになるのは、下記のように東京都の約半分の区、神奈川県、大阪市、京都市の中心部のみです。


  • 渋谷区、江東区、品川区、台東区、文京区、墨田区、新宿区、豊島区、荒川区
  • 横浜市西区、川崎市中原区、川崎市幸区
  • 大阪市福島区、西区、北区
  • 京都市中京区、下京区、上京区、左京区



以上のデータからエリアとしての安定度と資産性を読み解くと、2001~2013年の間に不動産を購入したとすれば、下記自治体であれば間違い無かったことになります。


  • 港区、中央区、千代田区、渋谷区、江東区、品川区、台東区、文京区、墨田区、新宿区
  • 横浜市西区、川崎市中原区
  • 京都市中京区、下京区、上京区



尚、意外なことに、自治体別騰落率のトップは港区(21.1%)ではなく、京都市中京区(26.0%)でした。これは厳しい建築規制のために、新規供給が極端に制限されているためでしょう。


実際の不動産投資では、更にミクロのエリアの土地勘が必要です。ただ、投資するべきエリアを検討する段階では、今回の自治体レベルでの超長期データは有用な参考資料となります。


私は、2002年から自分のテリトリーの2自治体の不動産マーケットをウォッチしています。今回のデータよりも地価の振幅はもっと大きい印象ですが、市場トレンドは概ね合致しています。


このため、自分のテリトリー以外の自治体への進出を考える際には、今回の資料を紐解くつもりです。その意味で、この34~35ページの資料は、PDF化して大切に保存しておこうと思います。


尚、札幌、仙台、名古屋、福岡、那覇などの有力自治体は、残念ながら調査対象ではありませんでした。十分な厚みの中古マンション市場が無かったためですが、今後に期待したいですね。


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