先日、いたたまれないニュースがありました。
新潟市民病院長時間労働は氷山の一角 協定違反が横行 です。




研修医過労自殺 労災認定

 過労自殺した研修医の長時間労働は氷山の一角--。新潟労働基準監督署に31日労災認定された木元文(あや)さんが勤務していた新潟市民病院(新潟市中央区)で、労使協定を無視した残業が常態化していたことが毎日新聞の情報公開請求で明らかになった。同病院は協定違反を認めたうえで「急性期病院のため救急患者を受け入れざるを得ない」と釈明。事態改善は難しいとの見解を示している。【柳沢亮】


 毎日新聞が入手したのは、木元さんが亡くなった2015年度に在籍していた後期研修医27人の残業自己申告記録。200時間を超える残業月があったのは1人▽150時間超は3人▽100時間超は9人▽80時間超は7人▽80時間以内は7人--だった。


 同病院には当時残業時間を月80時間以内とする労使協定があったが、後期研修医の7割以上に当たる20人が協定違反の長時間労働をしていたことになる。


 また管理職を除く同年度の全職員136人のうち、半数以上の63人に80時間を超える残業月があった。特に臨時職員の1人は11カ月連続で月の残業が100時間を超え、年間の残業は1523時間に達していた。


 厚労省が過労死リスクが高まると位置づける「過労死ライン」は月80時間。過労死の認定は基本的に、死亡に起因する精神疾患発症などを発症する1カ月前に100時間か、2~6カ月前の平均で80時間を超える残業があれば認定される。


 同病院は09年度、労使協定の上限を超える残業があったとして同監督署から是正勧告を受けている。


 同病院はこうした実態を踏まえ、17年度の労使協定改定で医師と歯科医師の残業上限を緩和。年6カ月以内の範囲で月100時間以内まで残業を認めるなどとした。同病院は「協定を守れる範囲にした」と説明している。


 ただ、上限緩和は過労対策の趣旨に反する。同病院の担当者は、高齢化で仕事量も増える可能性があるとして「中核病院としての使命と、労働時間の問題との間で葛藤がある」と話した。





記事の中で『同病院は協定違反を認めたうえで「急性期病院のため救急患者を受け入れざるを得ない」と釈明。事態改善は難しいとの見解を示している』と管理者は開き直っています。


ニュースソースが毎日新聞なので、少しアレなところがあります。「発言の切り取り」が行われた可能性が高いですが、それにしても事態を打開しようという気概を感じません。


経営陣がやるべきことは、まず法令遵守だと思います。「患者さんを救うためには法律を犯しても問題なし」という態度はいただけません。


医師に過度な負担のかかるシステムは改善していくべきでしょう。私の少ない経験では、大規模基幹病院で、これ以上無いぐらいに効率化している施設は皆無です。


ほとんどの施設において、パラメディカルの既得権を守るために生じたシステム不備は、弱い部分にしわ寄せされます。


傍から見ると、自殺するほど働くことはないではないか? と感じる方も居ると思います。しかし過度のストレスのかかる環境に身を置くと、自分の状況を客観視できなくなります。


このような悲劇を防ぐためには、
  1.  医療機関の管理者は、既得権益を見直して業務効率化を推進する
  2.  医師は、1日1度30分ぐらいは自分を見つめ直す時間を確保する

ことが重要ではないでしょうか。







★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★