先日、人工股関節全置換術(THA)を施行しました。昔と比べるとかなり皮膚切開が小さくなってきているので、ドレーピングの重要性を再認識しました。


患者さんのBMIはやや高めで、皮膚から筋膜までの距離が結構大きな方でした。私は側臥位での後外側アプローチなので、ドレープはふんわりと真上から貼付するようにしています。


しかし、助手の先生の手元が少し狂うと、皮膚に変な張力が掛かったままドレープが貼付されてしまいます。大袈裟に言うと、皮膚が「ぐにゃりと曲がった状態」になるのです。


皮膚の表面が「ぐにゃりと曲がった状態」になっていることは、あらかじめ皮膚ペンで描いた予定皮膚切開の線を確認するとよく分かります。


自分が切開を加えたい部分から少し離れた部位に、皮膚ペンで描いた予定皮膚切開の線が移動してしまっているのです。。。


小さな皮膚切開で行う手術やBMIが高めの患者さんの手術では、このドレーピングの不具合が結構大きな影響を与えてしまいます。


このため、私にとって手術で最も緊張する瞬間がドレーピングです(笑)。「始めよければ終わりよし」ではないですが、ドレーピングが決まれば気持ちよく手術が終わることが多いです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です