院内のよくある風景に、診療科同士の確執があります。
例えば、整形外科医 vs 外科医や、整形外科医 vs 内科医といった感じです。
整形外科医の立場からは「俺たちはこんなに忙しく働いているんだから、ちょっとは協力してくれよ」というのが本音だと思います。
一方、他科医師からは、「ホネしか診れないくせに態度がデカい」という声が聞こえます。う~ん、この意見にも一理ありますね。
コミュニケーション能力に難のある人やプライドの高い人が多いので、各科間のいざこざは表面化しがちです。しかし、いざこざを起こしても、百害あって一利無しです。
自分で言うのも何ですが、私は他科医師とかなり上手くやっています。これには下記のようなポイントがあると思っています。
- 他科医師からの依頼にはできるだけ誠意をもって対応する
- こちらからお願いするときには、必ず直接状況を説明して頭を下げてお願いする
- 廊下ですれ違えば、常に挨拶をする
客観的には当たり前のことばかりなのですが、他科医師といざこざを起こす医師を観察していると、上記の3つのポイントを実践できていないことが多い印象です。
①は、「与えよ、さらば与えられん」です。こちらがなおざりな対応しかしないのに、他科医師に助けを求めようということは虫が良すぎます。
②は、基本的には人間同士の付き合いのですから、システムに乗っかって機械的に診察依頼するよりも、心情に訴えかけて診察依頼する方がスムーズで効果的です。
もちろん、些細な診察依頼なら機械的にシステムに乗っかってでOKですが、重篤な症例では直接状況を説明して頭を下げてお願いするのがスムーズではないでしょうか。
③は、人間として基本中の基本です。ただし、本当は「笑顔で」という項目も付け加わるのですが、性格の問題から私自身ができていません(笑)。
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初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
DPCの場合、他科依頼が無料診療となっていることが一番の問題だと私は思っています。制度を理解していない患者が多いので、入院したついでに前から気になってたことを診てほしい、という依頼が多く、それを断るのに無駄な時間を取られています。
緊急性もないにのに他の科を受診したければ、すべて自費にすべきなのですが、それも提案できず、医者は板挟みです。
入院中は主たる疾患以外は無料診療を強制するなんて、医療をバカにした制度です、日本の医師はおとなしすぎる、ふざけるな、と声を上げるべきだと思います。