先日の外来で、中指ばね指の患者さんが再診されました。この方には、以前にステロイド含有の腱鞘内注射を施行しています。
腱鞘内注射で、腱鞘炎はかなり軽快しましたが、弾発だけが少し残存しています。痛みは無いそうですが、カクカク引っかかって気持ち悪いとのことでした。
ところで・・・と、その患者さんに相談を受けました。テーピングをすると弾発症状がましになるそうですが、テーピングをしてもよろしいでしょうか? という質問でした。
どのようなテーピングなのか確認すると、単純にPIP関節とMP関節の間の基節骨部をクルクルと巻くだけのものでした。アンカーなどは一切使用していません。
この程度の簡便なテーピングにも関わらず、確かに弾発現象が少し緩和されている印象です。う~ん、こんなテーピングで、そこそこ効果があるとは・・・
ばね指に対するテーピングは何種類かありますが、フィギュアエイト風に巻いたり、アンカーを使用したりと簡便とは言い難いモノが多いです。
一方、今回の患者さんが自己流で編み出したテーピングは、簡便で誰でもできそうです。確かにこの患者さんには効果がありますが、他の患者さんに効果があるかは未知数です。
今度、腱鞘内注射後に弾発現象のみ残存した症例には、今回のテーピングを試してみようと思います。
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