先日、アルバイトで夜診をしている際に、脛腓骨骨折の小学生を診察しました。脛腓骨骨折ではあるものの、それほど不安定ではなさそうです。


小学生にしては大柄ですが、保存的に治療できそうです。私自身は初めて診る子供でしたが、前回カルテを確認して目を丸くしました。


1週間前のカルテに、次回はPTB装具採型と書かれていたのです。。。確かに1週間前(受傷後2週)では、単純X線像上では仮骨形成を認めませんでした。


だからと言っていきなりPTB装具というのは少し乱暴のような気がしました。コスト度外視であれば、PTB装具も悪くはないと思います。


しかし、PTB装具は非常に高額で、完成まで時間もかかります。今回の患者さんは特殊な器具をオプション発注されていたので、合計12万円もかかるとのことでした。


受傷後5週で装具完成とすると、実際に装着するのは長くて6週間、通常の経過では4週間程度です。たったこれだけの期間のADL向上(?)のために12万円は高過ぎるのでは???


実際に単純X線を施行して確認すると、骨折部に仮骨形成を認めました。経験的には、これぐらいの患児は受傷後2~3週の間で急激に仮骨形成することが多いです。


もちろんこれに関しては後付けの理論ですが、必須ではないPTB装具を安易に発注する思考回路が問題だと感じました。


私たちの使命は四肢体幹の疾病や外傷を治すことです。しかし、この究極の目的ばかりを追っていると、そこに至るまでにかかるコストにまで気が回らなくなる可能性があります。


今回は高価な装具作成でしたが、手術適応に関してもコストパフォーマンスを念頭に置いて診療にあたるべきではないかと感じています。


昔、” 一人の生命は地球より重い " とおっしゃられた総理大臣が居ましたが、その尊い行動の結果は、テロの凶悪化と激増でした。


同じことが医療でも発生する可能性があります。国民皆保険制度は、現役世代の重い保険料負担の上に成り立っています。


国民皆保険制度という素晴らしい制度をできるだけ長持ちさせるためにも、私たちひとりひとりの医師がコストパフォーマンスも考慮した治療を行うことが重要だと感じました。






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