腰痛の8割は原因が分かる! のつづきです。山口大学整形外科の鈴木先生の報告から、非特異的腰痛は2割程度しかないことがわかりました。


では、腰痛の原因の内訳はどのようになっているのでしょうか? 論文によると、腰痛の原因は下記の表のごとくです。



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Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study, Hidenori Suzuki et.al.





上から4つ目のSacroiliac joint syndromeまでは良性疾患で、外来で経過観察可能です。ここまでで全体の56.9%のようです。


一方、上から5つ目のLumber compression fracture から Lumber spinal stenosisまでの20.9%は病的な腰痛で、場合によっては手術も必要です。


以上は、保存治療が可能か、手術治療も検討するべきかの視点での分類です。そして、腰痛の原因の頻度順にまとめると、下記の4つで全体の6割を占めるようです。

  • 椎間関節性腰痛 20%
  • 筋膜性腰痛 20%
  • 椎間板性腰痛 10%
  • 腰部脊柱管狭窄症 10%



上記の数字を頭の片隅に置きながら、明日からの日常診療に臨もうと思います。






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