他の職種もそうかもしれませんが、経済的には、一般的な医師は歳を重ねるごとに「転落」していく運命にあります。
その理由は、子供の教育費や住宅ローンなどの支出が増大するからです。これらの支出が増えだすのは、30歳台半ば以降になることが多いです。
基本的に、私たちは医業に集中しているので、それ以外に収入を得る方法を知りません。このため、収入を増やすためにアルバイトを探すことになります。
医師のアルバイトは、こちらでも書いたように実質的には漸減傾向にあるものの、一般的なレベルから見るとまだまだ高収益です。
このため、収入を増やす手段として、ほとんどの医師はアルバイトを検討することになります。案件さえ見つければ、簡単に収入がアップするので、第一選択にするのも頷けます。
しかし、私はアルバイトに依存すること禁忌だと考えています。その理由は下記のように3つあります。
- 累進課税なのでアルバイトを増やすほど税率が上がる
- 自分の時間の切り売りである
- 収入を得る手段を増やそうとする思考が停止する
① 累進課税なのでアルバイトを増やすほど税率が上がる
これは言わずもがなですね。多くの医師はアルバイト収入の30~40%を所得税・住民税としてお上に召し上げられます。ひどい人だと50%なので、非常に効率が悪いですね。
問題点は、確定申告で徴収されるので、納税の痛みを日々味わえないことです。毎月振り込まれるアルバイト収入には、年度末に支払うべき税金が10~40%ほど含まれています。
これを自分の収入であると勘違いして喜々として消費していると、あとで痛い目に合ってしまいます。くれぐれも振り込まれるアルバイト収入を全額使えると思ってはいけません。
② 自分の時間の切り売りである
アルバイトに限らず、労働は時間の切り売りであることが多いです。ただ、メインの職場では自分の成長に資することが多いので、そのこと自体はさほど問題になりません。
しかし、アルバイトで学びを得ることはあまり無いので、純粋な時間の切り売りになりがちです。もちろん、メインと違う種類の施設では、症例的・社会的に学ぶこともあります。
③ 収入を得る手段を増やそうとする思考が停止する
アルバイト最大の害悪は、思考停止であると思います。時間の切り売りというビジネスモデル(?)なので、効率が悪いとはいえ、それなりの収入を安易に得てしまいます。
このため、収入を得る手段を増やそうとするインセンティブが消失して、漫然とアルバイトに依存する生活スタイルが完成します。言葉は悪いですが、薬物依存症と同じです。
解決策は?
ここまでアルバイトへ依存することが良くないことを述べていきましたが、これに対する解決策は、なかなかすぐに見つからないのが現実です。
私が推奨する方法は、
- アルバイト以外の収入を開拓
- その後に法人設立
という流れです。まず法人を設立するという考え方もありますが、法人の維持費がかかるので、まずは収入の開拓を優先するべきでしょう。
「時間の切り売り」はいけないと述べましたが、アルバイト以外の収入を開拓するにあたっては、ある程度仕方無いと思います。
そもそも、自分の時間を消費しない仕事というのは、世の中にほとんど存在しません。要は自分の頭を使ってアルバイト以外の収入を得ることが重要なのです。
また、法人での収入は、金融機関に対する実績となります。90~100%に近い手残り率と、対金融機関の実績が積み上るので一石二鳥です。
ダメ出しあれこれ
やってみると分かりますが、アルバイト以外で、特に法人を通じて収入を得ることは非常に難しいです。このことを知ると、自分が社畜(病畜?)であることに気付きます。
もちろん、一般事務職よりは依存度は低いですが、年齢を重ねるごとに自分の力での転職が難しくなる現実を考えると、客観的にみて社畜であることは事実です。
あと、メイン病院の所得の一部を法人に振り替えてもらう人が居ますが、見つかればほぼ確実に租税回避行為として否認されるので注意が必要です。
もちろん、現場の医師の立場からみた経営コンサルタント業務などを、客観的な資料を残しながら履行しているのであれば認められる可能性もゼロではありません。
ただ、何の理由もなく個人給与所得の一部を法人に振り替える行為は、脱税行為になるので注意しましょう。
まっとうな方法で法人の収入を増やしていく。。。難しいですが、この課題を克服すると、違う世界が見えてくることも事実です。新しい世界への第一歩を踏み出しましょう!
★★ 管理人監修の資産形成マニュアル ★★
管理人監修の「勤務医の、勤務医による、勤務医のための資産形成マニュアル」です。高度な医療技術で社会貢献するためには経済的安定が不可欠! という信念のもと、管理人は多くのメンターから指導を受けました。
その指導内容をまとめたものが本マニュアルです。その指導内容をまとめたものが本マニュアルです。既に資産運用をしている方でも、勤務医のアドバンテージを生かした新しい考え方が見つかるかもしれません。
PDF版の販売で、30日間の返品保証付きです。当直1回分にも満たない価格なので、本マニュアルの手法を実践すれば、あっという間に元が取れると思います。 尚、医師以外の方のご購入はご遠慮ください。
今医学部4年生でまだ比較的時間があります。今から将来の資産形成を考えていくとして、なにかこうした方がいいと言ったアドバイスを頂きたく思います。突然で不躾ですが、周りに先生のような考えの方がいらっしゃらず、だれに相談していいのかわからないです。何卒よろしくお願いします。