先日、橈骨遠位端骨折に対して掌側プレート固定をした患者さんの診察を行いました。雑談の中で、空港の金属探知機の話題になりました。


この方はまだ術後4か月程度ですが、すでに10回ほど飛行機に搭乗している(!)そうです。そして、金属探知機には1度も引っかかったことは無い! とおっしゃられました。


ほ~、そんなものなんですね。確かに橈骨遠位端の掌側プレートなので小さなものです。しかし、通常はあっという間に抜釘するので、飛行機に乗る方は少ないと思われます。


金属探知機には残留磁気を検出するものと、誘導電流を検出するものがあります。後者の場合は、チタンと言えども検出されます。


このため、理論的にはチタン製内固定材料は、金属探知機に検出されてもおかしくないのです。しかし、実際にはプレートのサイズが小さいので、検出されないのでしょう。


一方、人工関節に関しては、空港の金属探知機に引っかかった人を目撃したことがあります。大柄の外国人で、THAの手術を受けたと保安員に説明していました。


いずれにせよ、
小さなプレート程度では空港の金属探知機にひっかかりにくいという貴重な体験をお伺いできました。





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