先日、久しぶりに大学の先生の人工股関節全置換術(THA)に入ったのですが、大腿骨頚部骨切りの工夫を教えていただきました。
大腿骨頚部骨切りの位置決めは、意外と難しいと思います。特に後方系の侵入では大腿方形筋が邪魔になって、小転子からの距離がイマイチよく分かりません。
私は、今までは下記のような手法で骨切りの位置を決定していました。
- head-neck junctionからの距離
- 大腿骨近位の形状
- 大腿骨頭先端からの距離
- エレバトリウムを頚部後方に沿わせて小転子まで挿入して距離計測
しかし、いずれも正確性に欠けていることが難点でした。何か良いアイデアは無いかな? と思っていたのですが、興味深い工夫をお伺いしました。
その工夫とは、カップのデプスゲージを流用して小転子からの距離を測ることです。なるほど、確かにデプスゲージなので、アバウトですが距離の計測が可能です。
術中に試してみましたが、割と小転子の膨隆をよく触知できて計測の再現性があります。術中13mmに対して、術後X線では16mmでした。
少し微妙な感じではありますが、大ハズレはなさそうです。しばらく、この方法で大腿骨頚部骨切りをしてみようと思います。
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