ステロイドの関節内注射は、作用時間が短いものの除痛性に優れるため、昔から変形性膝関節症の保存治療のひとつの選択肢として用いられてきました。
しかし、日本整形外科学会のOARSI勧告に基づくガイドラインによると、効果が短期間であることと、頻繁には使用しない方がよいという理由から推奨度Cです(推奨度A~D)。
更に、OARSIでは年に4回までにとどめることを勧告しています。ステロイド関節内注射群と対象群を2年間比較すると、0.1mm軟骨が薄くなったという報告もあるそうです。
私は、OARSIのヒアルロン酸製剤の関節内注射に対してはdisagreeなのですが、ステロイドの関節内注射に対する制限に関しては全く同意しています。
ステロイドはヒアルロン酸製剤と比較すると短期的な効果は優れていますが、石灰化、皮膚萎縮、感染などさまざまな合併症が生じるので頻回使用は厳に慎むべきでしょう。
ただし、どうしてもステロイド関節内注射を施行せざるを得ない場面があることも事実です。臨床的にステロイド関節内注射が著効しそうなのは下記のケースだと思います。
- 若年者
- 画像上の変形が少ない
- 可動域制限無し
ステロイド関節内注射の頻回使用は合併症の観点から避けるべきではあるものの、症例によってはメリハリをつけて使用することもアリかなと考えています。
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初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
開業医のところにバイトに行ってステロイド注射されまくっている患者さん見ると、大丈夫かな〜と思います。