なぜ、野球肘などの患児が、医療機関から接骨院に流れていくのかについて興味深い話題がありました。


野球肘などのスポーツ障害の治療の基本はノースロー(No Throw)です。もちろん、目的は肘の障害部に負荷をかけないためです。


上腕骨内上顆裂離骨折や離断性骨軟骨炎では、骨癒合までに比較的長期間のノースロー期間が必要です。しかし、この長い期間を指示すると、患児(と親)はソッポを向きがちです。


実際、数カ月も練習から離脱することは、患児や両親にとって耐え難いことは容易に想像できます。しかし、これらの傷病は焦っても早く治ることはありません。


したがって、ノースローを指示せざるを得ないのですが、ただ「ノースロー」といっても患児や両親は納得しません。


このため、通院毎にマッサージしてくれる接骨院へ患児が流れるのです。本来なら医療機関で、ノースロー期間中の下半身ストレッチなどを指導するべきです。


しかし、ほとんどの整形外科医院や病院は、下肢の柔軟性を高める指導は行っていません。患児からすると放置されているように感じるため、手厚い(?)接骨院へ流れるのです。


この話をお伺いしたときに、整形外科診療の難しさを改めて感じました。山のように押し寄せる患者さんを前にすると、一人に割ける時間も限られます。。。


このあたりの匙加減は難しいですね・・・





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